季節によってバッテリーの上がりやすさには差があります。
夏場の時期にバッテリーが上がってしまって炎天下の中ロードサービスやバッテリー復旧作業をするのは大変です。
今回は夏場にはなぜバッテリーが上がりやすいのか?
また、バッテリーが上がってしまった場合の対処法などをご紹介致します。
なぜ夏場はバッテリーが上がりやすいのか?
バッテリーが上がってしまう原因はあらゆる要因がありますが、頻度が多くバッテリー上がりとなってしまう例をご紹介致します。
・バッテリーが上がる原因
バッテリーが上がってしまう原因はバッテリー本体の劣化や寿命からくるものと、それ以外の原因で発電不良や漏電などによるバッテリーの蓄電量の低下があります。
バッテリー本体の劣化は推奨の交換時期は3年と言われていて3年を過ぎるとバッテリー本体の充電量や性能が低下していきます。
乗り方やバッテリーの使い方によって目安時期の3年よりも長く使う事ができる場合などもあるため記事の後半にバッテリー上がりによる対処法などと一緒にご説明致します。
次にバッテリーに充電をする為の発電機の故障や、漏電によるバッテリーの蓄電量の低下です。
発電機(オルタネーター)はエンジンの駆動を利用して補機ベルトを使いオルタネーターを回転させる事で電気を発生させバッテリーに供給して充電を行います。
オルタネーターの故障や補機ベルトの劣化によってベルトが切れてしまった場合などに発電ができずバッテリー上がりとなってしまいます。
漏電の場合、原因は様々で診断などにも時間や費用が高くなる傾向が多く、漏電の可能性がある場合はディーラーなどで診断してもらう事をオススメ致します。
では、夏場はなぜバッテリーが上がりやすくなってしまうのでしょうか?
夏場は電気の消費量が増える
冬場と違って夏場は車のエアコンの使用頻度が増えます。
エアコンを使うと、エアコンのコンプレッサー、ブロアファンモーター、電動ファンモーターなどを同時に動かす為電気の消費量が増えてしまいます。
また、コンプレッサー内部のマグネットクラッチが断続的にON、OFFを繰り返す為、その度に電気負荷は増えてしまうため結果的にバッテリーの電力消費に繋がってしまいます。
エアコンを使うだけでなぜそこまでバッテリー上がりの可能性が高くなってしまうのでしょうか?
消費する電力と発電する電力が間に合わない
夏場にある行事がお盆にある帰省ラッシュです。
この帰省ラッシュによって毎年渋滞がありますが、この渋滞時には車がアイドリング状態になる頻度が多く、アイドリングでは十分な発電を行う事ができません。
この状態がバッテリー上がりの原因という訳ではありませんが、要因の一つとしてある事は事実です。
また、細かく上げるとアイドリング中の場合、ブレーキを踏んでいる、エアコンを使用している、夜間であればライトをつけている、ナビを搭載している車であればナビを使っている、車種やグレードによってはシートにファンが内蔵されシートヒーターとは別にシートを涼しくする機能があるものもある為その機能を使用している、シガーソケットで携帯を充電しているなどと例を上げるときりがありませんが、アイドリング中という発電が不十分の中で条件が重なると消費電力が上回ってしまいバッテリー上がりの原因となってしまう事があります。
では、夏場のバッテリー上がりになってしまった時の対処法と予防策などをご紹介致します。
バッテリーが上がってしまった場合の対処法
バッテリーが上がってしまった場合の対処方をいくつご紹介致します。
- ブースターケーブル
定番のバッテリー復旧方法になりますがブースターケーブルを使ってバッテリーを復旧する方法があります。
メリットとしてはブースターケーブル本体の値段が安価で数千円で購入する事ができる事とサイズが小さい為車載工具などと一緒に搭載する事が可能です。
デメリットはブースターケーブルを接続する為に救護車両が必要になる為、交通量が少ない場所だと困難な場合があります。
また夏場の炎天下の中で作業するのは少し大変かもしれませんね。
ブースターケーブルの使用方法としては
プラスのブースターケーブル(赤い方)を救護車両のバッテリーのプラス端子に接続します。
次に接続したプラスのブースターケーブルを上がってしまったバッテリーのプラス端子に接続します。
マイナスのブースターケーブルも同様に救護車両とバッテリー上がりの車両に接続します。
接続が完了したら救護車両側のエンジンを始動します。
5分から10分アイドリングで電気を供給してバッテリー上がり側のエンジンを始動する事ができたら、ケーブルを取り外して終了になります。
注意点として接続した状態で長時間放置しない事とケーブルを接続する時は、ボディーに接触してショートさせないように注意してください。
無事エンジンがかかったら一時間程エンジンを切らずに充電をしておく事をオススメ致します。
- ジャンプスターター
先程のブースターケーブルを使うバッテリー復旧方法と似ていますが、救護車両を必要としない方法としてオススメできるバッテリー上がりになってしまった場合の対処法の一つになります。
ブースターケーブルより金額は比較的高めですが、交通量が少ない道路などでも対応する事ができ、サイズも種類によってはコンパクトなものもある為ブースターケーブル同様に車載工具として車内に搭載する事が可能です。
方法はモバイルバッテリーにプラス、マイナスのケーブルを接続して同様に上がってしまったバッテリーの端子に接続して電気を供給します。
注意点としては、復旧作業を行う前に事前にモバイルバッテリーの充電をしておきましょう。
種類によって必要な充電量が異なる為、不安な方は満充電にする事をオススメ致します。
- ロードサービスに連絡する
JAFなどに加入した上でロードサービスに連絡をします。
年会費も4000円、入会金2000円で加入する事ができます。
JAFは全国にあるため出先で県外に出ている場合でも対応してもらえる為、もしものトラブルの時にきっと役に立つと思います。
ただ、連絡をして10分20分で到着するという事は少なく炎天下の中でバッテリー上がりとなってしまった場合は暑い中待機する必要があります。
しかし、JAFなどのロードサービスに加入しておけば、バッテリー上がりなどの判断ができるトラブルの場合は自分で対応する事が可能かもしれませんが、それ以外での不具合で走行不能となってしまった場合はとても心強いものなのではないでしょうか?
バッテリー上がりを防ぐ方法とは?
バッテリーが上がってしまった対処法を説明しましたが、バッテリー上がりを防ぐ方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
1消費電力を抑える
夏場の電気消費量は増える傾向にあります。
そのためにできる事としては、エアコンの風量を下げる事で多少の消費量を減らす事ができます。
夏場の暑い中で車内はとても高温になっている為、乗ってすぐに風量を最大にしてエアコンを使いたくなってしまいます。
しかし風量を最大にする事によってブロアファンの電気負荷も高くなってしまう事になってしまう為風量は可能な限り低く設定する事で消費電力を抑える事ができます。
また、エアコンを使うとコンプレッサーや電動ファンモーター、ブロアファンモーターなど同時に電力を消費する為夕方や夜間などの比較的気温が低い時にはエアコンを控えるなどの方法もあります。
エアコン以外にも、ナビやオプションなどによって後部座席にモニターを設置している、シガーソケットから携帯の充電をしているなど同時に電気を消費している状態はバッテリーに負担がかかってしまう為、使用する量には注意しましょう。
2 定期的な点検
バッテリーを長持ちさせる為には定期的な点検が必要です。
自分でできる簡易的な診断から、お店などでできる専門的な診断などがあります。
個人的にできる診断方法は以下になります。
- バッテリーの液量を点検する
バッテリーが年数などから劣化してくるとバッテリー内に充填されているバッテリー液が減少します。
目視点検でバッテリー表面から残量を確認する事ができる為、UPER LEVELからLOWR LEVELまでの線の範囲内にバッテリー液があるか確認しましょう。
- 端子の劣化、損傷の点検
バッテリーの端子に白い粉などが付着している場合には劣化などからくるサルフェーションが考えられる為交換目安時期の一つとして参考にしてくだし。
また、端子に接続してあるバッテリーケーブルは劣化からひび割れなどを起こすケースがあり、そのひび割れから漏電などの症状になってしまい、バッテリー上がりとなってしまう事もある為、ひび割れを確認した場合はディーラーなどで交換してもらいましょう。
お店でできる診断は以下になります
- テスターを使ってバッテリーを点検する
テスターを使う事でバッテリーの充電量や健康状態を診断する事が可能です。
バッテリーが劣化してくると健康状態の数値が100%中50%以下になり、テスターの種類にもよりますが、要交換などの表示がでます。
また走行距離が少なく年間の距離が1000キロや2000キロなどの極端に少ない場合などはバッテリーに十分な充電ができず、テスターに表示される充電量が健康状態と同様に100%中50%以下の数値となります。
- 比重の測定
バッテリーの劣化が進むとバッテリー内の比重の数値が低下していきます。
テスターは健康状態や充電量を%で診断する事は可能ですが、正確な診断ができないという難点があり、走行直後の場合などはテスターで点検した場合たとえバッテリーが劣化して交換時期となっていても、良好の数値となってしまう事があります。
正確な診断をする為にはバッテリーの比重を確認する必要があり、専用の比重計を使って測定をします。
数値が基準値より下回っていた場合バッテリーの劣化から充電量や健康状態が低下している為、交換の判断をする事ができます。
自分で点検をする事やお店で専門的な診断をする事で、バッテリーの寿命を長持ちさせる事や、突然のバッテリーを防ぐ事も可能になります。
まとめ
夏場のバッテリーは負担が多くかかる為、バッテリーを普段以上に労ってあげる必要性があります。
バッテリーの消費電力を気にする事や定期的な点検はバッテリーを長持ちさせる秘訣や突然のバッテリー上がりを防ぐ方法になります。