ガソリン車やディーゼル車などの燃料を主に主体としている自動車から、モーターとエンジンのハイブリッド車や電気のみで走る電気自動車が増えてくる中で、ハイブリッド車がバッテリー上がりを起こしてしまった場合はどう対処すればいいのでしょうか?
また、バッテリーが上がってしまった場合の症状はどのようなものがあるのか?
ハイブリッド車と聞くと通常のガソリン車と比べて構造が違う為、バッテリーが上がってしまった時は専門の人以外に修理はできないのではないかと気構える方も多いかと思います。
今回はハイブリッド車でも代表的なトヨタのプリウスでバッテリー上がりの症状や原因から対処法のご紹介を致します。
1 ハイブリッド車とは?
従来のガソリン車は一つのエンジンの中で燃料を爆発させる事で駆動力を得る事で変速機からドライブシャフトを通してタイヤに動力を伝える事で走行していました。
ハイブリッド車はエンジンでの駆動の他にモーターの駆動する機構を搭載する事でエンジン、モーターと切り替える事で燃費の向上やスムーズな加速を生み出す事に成功し年々環境意識が高まる中で排気ガスとして排出されるCO(一酸化炭素)HC(炭化水素)の低減も実現しています。
ガソリン車の場合はエンジンの始動時に必要な電気やその他の電装品の電力を供給する為にエンジンルームにバッテリーが搭載されていますが、ハイブリッドの場合は通常のバッテリー(補機類用)の他にモーター駆動する為のバッテリーが搭載されています。
プリウスの場合は「ニッケル水素電池」「リチウムイオン電池」の二種類を年式によって採用しています。
2 プリウスのバッテリー上がりの原因
プリウスの場合はハイブリッド車だし、通常のガソリン車とは違う原因で上がってしまうのではないか?と思われる方も少なくないかと思います。
しかし、バッテリー上がりの原因は主にガソリン車でのバッテリー上がりの原因と一緒な事が多いです。
ライトなどの消し忘れ
ガソリン車と同様にライトの消し忘れや室内灯の消し忘れによってバッテリー内の電気を消費する事でバッテリー上がりを起こしてしまいます。
補機類のバッテリーを搭載している事や始動時に必要な電力を供給する役割が一緒の為同様の理由でバッテリー上がりとなってしまいます。
バッテリーの年数からくる劣化
交換目安時期は約3年となっているため時期を大幅に過ぎてしまっている場合は同様のバッテリー上がりとなってしまいます。
3 バッテリー上がりに似た症状の場合
バッテリー上がりかな?と、判断が難しい場合もあります。
頻度的には少ないかもしれませんがあくまで参考までにご紹介致します。
車両のコンピューターの不具合
自動車には様々なコンピューターが搭載されていて情報の読み込みや指示をしています。
そのコンピューターの故障、不具合が起きる事でエンジンが始動できない、その他の不具合などがでてきます。
稀にコンピューターの不具合で本来エンジンを切った場合に30分程でスリープモードに入るはずが切り替わらず常に電気を消費してしまい、購入してまだ年数も経っていない車両がバッテリー上がりになってしまったというケースもあります。
リチウムイオン、ニッケル水素電池の故障
ハイブリッド車の場合は車内の主に床下に駆動用のバッテリーを搭載しています。
メーカーや車種によってトランクルームに搭載している事もありますが、床下の場合に一番注意しておきたい事は飲み物などをこぼしてしまい駆動用バッテリーが不具合・故障してしまい、エンジンが始動できなくなってしまう事があります。
一見バッテリーが上がってしまった症状と類似している為判断が難しいです。
飲み物をこぼすだけで壊れるの?思われる方も多いかもしれませんが、実際に何件もそういった内容で故障してしまうという事が起きています。
また、台風や大雨の時の水害による水没などの場合は間違いなくエンジンを始動する事ができなくなっている事やエンジンを無闇に始動させようとする事は非常に危険ですので、ロードサービスに連絡をしましょう。
4 プリウスのバッテリーが上がってしまった時の症状とは
では、実際にバッテリーが上がってしまった場合はどのような症状が起きるのでしょうか?
エンジンが始動できない
こちらもガソリン車と共通してエンジンが始動する事ができなくなってしまいます。
同様にエンジン始動時の電気は補機類バッテリーから供給する為、スタートスイッチをオンにしても反応しません。
室内灯、灯火類、電装系が全て作動しない
補機類から使用している電装系は全て使用できなくなってしまいます。
キーレスでのドアのロックアンロック、パワーウィンドウ、オーディオ、室内灯点灯からその他灯火類の全てです。
5 バッテリーが上がってしまった場合の対処法
プリウスのバッテリーが上がってしまった場合はどのような対処方法があるのでしょうか?
ジャンピングスタート
ガソリン車同様ジャンピングスタートでエンジンを始動する事ができます。
しかし、バッテリーはエンジンルームに見当たらない??
ではどうやってジャンピングすればいいのでしょうか?
分かりづらい場所にある可能性もありますがきちんとエンジンルームからブースターケーブルを接続する事ができる場所があります。
大体のハイブリッド車でエンジンではなくハイブリッド側に黒いボックスがあり、そのボックスの中に救護用のプラス端子がついています。
この端子を救護用のプラス端子、もう一台の車両のバッテリーのプラス側に接続します。
マイナスは金属の部分でしたらどこでも大丈夫なので一番接続しやすい場所に接続します。
後は同様に片方がエンジンを始動してバッテリー上がりのハイブリッド車側のエンジンを始動します。
無事エンジンがかかった事を確認できたらブースターケーブルを取り外ししばらくはバッテリーを充電させてあげれば終了です。
注意点としては、ハイブリッド車のバッテリーが上がってしまった場合は救護車両として同様のハイブリッド車を使用しない、またガソリン車のバッテリー上がりに対して救護車としてハイブリッド車を使用しないようにしてください。
電気系統の不具合やショートなどに二次トラブルに繋がる可能性がありますので注意です。
ジャンピングスタートの方法で使用するとガソリン車から流れる電流がハイブリッド車の電装関係に故障、不具合を起こす可能性があります。
また、救護用プラス端子の付近はオレンジ色の高電圧配線があるため作業時には十分に注意して行うようにしてください。
バッテリーが劣化による寿命の場合
バッテリーが完全に劣化してしまい充電しても復活しない場合は交換になります。
ガソリン車のようにエンジンルームに存在しない為難しく感じるかと思いますが、場所さえわかれば以外と簡単に交換する事ができます。
プリウスの場合年式によってバッテリー搭載位置が変わりますが主にトランクルームの端側か後部座席シートの下に搭載されています。
どちらもスペースがあまりなく作業するさいには必ずエンジンを切った状態で交換するようにしてください。
また作業する際に多少の工具やバッテリーを交換するために取り外す部品がいくつかるため、自分で交換するのは難しいと感じたら迷わずディーラーなどでお願いしましょう。
バッテリー交換をする際の注意点として、先程も説明した交換時はスペースが狭い為に交換時に金属部分接触してしまい、感電する可能性もあるためエンジンは切った状態で交換しましょう。
また、室内、トランクのタイプの場合はバッテリー本体に水素ガスを排出すためのホースがある為交換時は新品が付属されている場合は交換、無かった場合は必ず再利用するようにしてください。
密閉された空間で水素ガスが充満する事で人体に影響がでる可能性があるため。
6 まとめ
ガソリン車と違ってハイブリッド車はバッテリーが上がった場合は自分で対処できないと思われる方が多いかと思いますが実際は違います。
きちんと方法や手順を理解していれば通常のガソリン車のバッテリー上がりと一緒で難しくありません。
ただバッテリーを個人的に交換する際は簡単に交換ができる場所に搭載されていない為、注意が必要ですので、難しいと感じた場合は無理に交換使用とせずお店の方にお願いしましょう。